あなたは長距離走で
「定番のビリっけつ」になったことがありますか?
わたしはあります。
あなたは、ハードル走で
全ハードルをなぎ倒し転がりながら
血だらけになって走りきったことがありますか?
わたしはあります。
あなたは──
いや、もうこれ以上語ることもないでしょう。
そう。
わたしは実は超ド級の運動音痴なのです。
髪の毛がショートカットであるのと、
決してホンワカした感じの顔立ちではないせいか、
ごく稀に運動が得意そうだと思われることがあります。
とんでもねぇ。
跳び箱は上に乗っかるものだよ。
なんならダイエット目的で興味本位に受けた遺伝子検査で
「筋肉つきにくい」判定も出ているので
運動との縁遠さは、こりゃもう筋金入りです。
そんな調子なので、「オリンピック」とは
この世でもっとも自分からはかけ離れた
イベントであると思っています。
正直なところ、この夏に催されるガチオリンピックについても
「交通規制とか面倒くさそうやな……」くらいの思いしかありません。
でも。
このオリンピックに対する自分の関心の無さは、
周囲は盛り上がっているのに
「自分には関わりのないこと」と拗ねていることの
裏返しかもしれません。
よく考えてみて。
現代は、ゲームプレイですらスポーツ化される時代。
視野をもっと広げてみれば、この世のあらゆることが
スポーツ化される可能性があるのでは?
そうなれば、イヤでも自分との関わりが生まれるはず……!
例えば、そう。
「洋服をつい後ろ前に着ちゃう選手権」
あった!あったよ!
わたしが世界に通用しそうな競技!
Tシャツを後ろ前に着たりすることは
きっと誰にでもあることでしょう。
Vネックのニットを後ろ前に着ることも、
まあなんだ、そこそこのおとぼけさんならあるかもしれません。
(わたしはもちろん両方ともに経験あり)
それでも、さすがにこれはなかなか……
というレベルのものがあります。
<フード付きパーカーを前後ろに着る>
これは大変です。
なんといっても、ネックの後ろ側に
大きな袋状の付着物がついている。
たいていの人間なら、このテの衣類を手にした時点で
前後の区別がつくことでありましょう。
もう皆まで言わせるな。
ナチュラルに前後ろ間違えたことがあります。
さすがに着衣した時点で気づき
その場で着直しましたが、
ここで「そのまま外出」に至らなかった時点で
競技のうえでは甘いと言わざるを得ません。
このおかげで、わたしは西東京大会6位入賞止まり。
まだまだ世界の水準には程遠い。
とんだ未熟者です。
しかし、しかしです。
これは、わたしが持つ数少ない才能のうちの一つと言えます。
ボタン付きのシャツを後ろ前に着てしまう日も
いつか必ずやってくる(予言)。
下手に気をつけたりせず、このまま鍛えていけば
やがては世界に通用するのではと思われます。
まずはパーカーを前後ろ間違えて着たまま
気づかず迂闊に夜まで過ごすレベルを目指していかねば。
「2020 東京バカオリンピック」
日本の金メダル獲得数に貢献できるよう、がんばります!
あ!他にも出場できそうな種目がまだあった!
「メガネをかけたままうっかりフェイスクリームを塗る」選手権!
こちらもなかなかにメダルを有望視されるレベルでs